タカラモノ

永遠を信じたいんだ 想い出はタカラモノ

幕末の記憶


幕末天狼傳についてはまだ自分の中で消化できてない部分の方が多いので感想書くのもどうしようかなって思ったけど、このあと凱旋まで約一ヶ月空くので、一応現段階で思ったこと、感じたことを書きとどめておきます。
自分は古のオタクのくせにきちんとした(?)新撰組は一切通って来ず、知識としては銀魂幕末Rockという偏りと、とうらぶハマってから3回和泉守兼定を見に行って、付け焼刃で身に着けた新撰組知識のみのにわかです。
でも、当初推しでもなんでもなく何の前知識も無いまま見に行っていきなり沼にハマった三条with加州に比べたら、元々堀川と兼さんのコンビが好きで、兼さんは3回見に行くだけの思い入れがあるので、正直期待もありつつも不安もあり、にわかと言いながらモンペ丸出しなところもあるので、歴史的におかしいよ!とか考察が足りないとかいう箇所があったとしてもまあ刀剣乱舞自体が『この作品は創作であり、史実等とは異なる場合がございます』ってことなので個人の見解と解釈ってことで、さらっと読み流して下さい。

 

幕末天狼傳東京公演は初日から千秋楽まで計4回観劇しました。
初日初見の印象としては、これ物語としてどうなんだろう?前の阿津賀志山異聞が1時間半でぎゅうぎゅうに詰め込まれてたのに比べて2時間冗長だし、話の一貫性が無くない?でした。
刀ミュファンとして、前作から引き続き続投の加州の成長ぶりには感動したし、その加州が石切丸との衝突や岩融くんとの会話、和解、今剣ちゃんのことがあったからこそ引き留めるだけじゃなくて安定くんを信頼して行かせてあげたいって思って、そこはもうただ単純に嬉しくて。
加州の『君にも身に覚えがあるだろう』の気持ちも痛い程伝わってきたし、でもそれを押し殺して、安定くんの想いを大切にしてくれて、送り出してくれて、でも万一のことがあったら自分が止めるからって、そこから沖田君があの時池田屋につれていったのが清光だった理由の決着のつけかたも本当素晴らしくて。あそこは本当にほっとした。
選ばれたもの、選ばれなかったもの、選ばれることを選べなかったもの、それが新撰組という新しく選ばれたものという名を冠しながら時代に選ばれることなく散って行った、それとリンクさせた前半の『選ばれぬ者』のあの曲のところは本編の一番のクライマックスじゃないかと思わせるくらいで、初日から最後まで、毎回泣いてた。

で、まあ沖田君メインのあれこれは本当にわかりやすい作りだったと思うんだけど、一番わからなくて今でもひっかかってるのが、『歴史修正主義者の狙い』
最初に歴史修正主義者の狙いは新撰組だ!とそこから幕末に飛ぶわけだけど、一番最初は新撰組が結成前に、主要メンバーを殺して新撰組の結成自体をなかったことにしようとする。
でもその新撰組を殺そうとする時間遡行軍と、それとは別の意志で動いている黒猫の菊ちゃん(恐らく菊一文字の意志が具現化して沖田を生かせて歴史を変えようとしている設定)がいて、その二つの目的が一致しない。
最後の板橋では、もう近藤さんが処刑されることが決まっているのに、なぜか襲ってくる時間遡行軍。近藤さんを助けに来たの???
時間遡行軍の意志が菊ちゃんと一緒で、たとえば沖田君を生きながらえさせる、近藤さんの処刑を阻止する、土方さんと共に新政府軍を討ち取る、っていうならわかりやすいのだけれども。
そりゃ新撰組が結成されなかったり、池田屋事件を妨害したりしたら歴史は変わるけれども、そのifの歴史改竄の目的がどういう風に正規の歴史に影響があるのか?
歴史ってそんなに単純なものじゃないってわかっているけれども、結局新撰組は、旧幕府軍は滅びゆく宿命にあるものを、どうして時間遡行軍は襲ってきたのか。
その点阿津賀志がわかりやすいのは、正規の歴史では死んでいった義経の方について、本来鎌倉幕府を開いた頼朝を殺そうとするという、歴史上の敗者側について勝者を倒そうとしている。

全ては菊ちゃんの動きの方が本命で、あとは陽動ってかフェイクだったのか?とも考えたけど、穿った見方をしてしまえば、刀剣男士たちをうまく新撰組のメンバーに絡ませる為に利用しているようにも思えてしまう。(安定くんが新撰組に潜入する必要性を作る為に時間遡行軍が新撰組を襲ってくるとか、近藤さんの処刑を妨害することによって誰かが代わりに近藤さんの命を奪わなければならなくなるからとか)

あと黒猫と菊一文字について。これは伝承から発生した沖田くんエピソードで、実際は沖田くんが使ってなかったであろう菊一文字にも、その後伝承で刀に意志が芽生えて…ってことなんだろうけど、今剣や岩融の伝承に比べて幕末というのがまだ歴史的に150年くらい前の出来事なのであまり実感がわかないというか、まあ刀剣乱舞の世界は西暦2205年なので、それくらい経っていれば菊一文字も付喪神化するかなぁとは思いつつも、ぶっちゃけ現代では作り話感の方が強い。

そしてこれはもう私の個人の見解で、私の方が解釈違いだったってだけなのだけど、刀剣男士がその時代の生きている人間を殺すということがすごく衝撃的で、最初どうしても抵抗感があって。
オタク脳での勝手な脳内設定だったんだけど、審神者によって顕現させられた刀剣男士はあくまでも時間遡行軍とか、恐らく闇落ちした刀という、化け物を相手に戦うものであって、その時代に生きている人間には干渉しないのがルール、ましてや命を奪うことはあってはならないと思ってた。(阿津賀志では既に義経軍が時間遡行軍の影響を受けていたというのはあったけれども、それでも生身の人間を斬るということは無かったし、頼朝軍とは極力接触を避ける節もあったし)

というか、この審神者による刀剣男士を具現化させるというシステムが、人を殺せないものと思ってた。
よくあるSFとかのロボットとかの設定と一緒で、ロボットは人を殺せないようにプログラムされている、そうでないと人より強い力をもったものを制御できないというか、刀剣男士に反乱されたら審神者や時の政府死ぬんじゃね?って思っていたわけで。
でもその後刀ステのDVDを友達に借りて見たら、そっちでも宗三が蘭丸斬ってたし、あ、それはアリなのね、って悟ったのだけれども、多分自分の中で刀剣男士は歴史を守るためには死ぬべき人物を斬ることも歴史を守る為の使命っていうのがすごく腑に落ちなかった。


まあここまで色々書いてきたけど、やっぱり歴史を知らないとわかりにくいなって、知ってたら知ってたであれこれ解釈違い!とかなるし新撰組は難しいなぁと。
推しの兼さんのことひとつとっても、俺だって最後まで一緒に居れたわけじゃねえってその言葉の意味や抱えてる想いを考え出すとまだ答えが出ない。
(現存している和泉守兼定は函館の五稜郭から遺品と共に持ち帰られたことになっているけど、土方さんも兼定自体何振も持っていたので、この兼定は最後まで一緒に居た方の兼定じゃないんだとか、でも太刀から打刀に刀種変更があった時になぜか勝手にこれは土方さんと最後まで居た兼さんだと思い込んでいた)
刀剣男士同士の絡みや、エピソードもまだ全部自分の中で理解したとは言い難く、今回幸運にも前方列で何度か見れたので、それで細かい表情や、感情の動きがようやく伝わってきたけれども、それでもまだまだ理解できてない。

阿津賀志がアメリカ映画で幕末天狼傳がフランス映画って言ってたけど、確かにみればみるほど味わい深くなるし、面白いことは面白いんだけど、1回見ただけじゃ理解が追いつかないことと、あとやっぱり表情がよく見えないと伝わりにくい。
結局好みの問題で、私はわかりやすい阿津賀志のようなはっきりとした敵がいて、真剣必殺で必殺技を出して敵を討つ!みたいなのが好きなんだなぁと。
実際初日見終わって「あれ?真剣必殺も二刀開眼も無かったよね!?」って物足りなさを感じてたから。
ただ、回数を重ねるごとにじわじわくる、そして新撰組をもうちょっと勉強せねばと思えてくるのでオタク好みの題材ではあるし、幕末天狼傳はハマる人は本当にハマると思う。
刀ミュも2作目で相当挑戦的な話を持ってきたな、と。でもあまり深く考えなくても2時間の新撰組ドラマを見る感覚でも見れるといえば見れるのだけど。

阿津賀志の時も感想読み漁ってたけど、今回は本当に感想が千差万別だなぁと、2.5次元舞台って本当に同人誌のようなもので、受け取り手の感情とか思い入れに相当左右される。
今回は本当に人様の感想を読んでて気づかされたこととかすごく多くて、でもそれが無いと自分の脳内だけでは理解が追いつかない。

でも1回目より2回目、2回目よりも3回目、4回目と回を増すごとに感情ものってきて、すごく良くなってきてるので、これから地方回ってきて、厳島公演を経ての凱旋公演を楽しみに待ちます。